スロバキアで進められているモホウツェ原子力発電所の原子炉増設工事が再度遅れる見通しだ。同国のSITA通信がこの程報じたところによると、今年末と2019年末に完工が予定されていた3号機と4号機の建設が遅延しており、それを懸念するペレグリニ首相が現場への訪問を検討する事態になっている。
建設工事の現在の達成状況は、3号機が計画全体の97%、4号機が85.1%。発電事業者のスロベンスケ・エレクトラルネは、現在のスケジュールと今年3月に承認された予算額に支障は生じないと話したが、ペレグリニ首相は工事に関連した債務の増加に関し懸念を表明している。両原子炉はそれぞれ2012年と2013年に完成が予定されていたが工期が繰り返し延長されてきた。それに伴い予算は当初の28億ユーロから54億ユーロに膨れ上がっている。
同社によると、3号機では冷態機能試験と温態機能試験が行われ、燃料棒の搬入も既に完了している。一方4号機ではケーブルや制御システムなどの設置作業が終了済みだ。
2009年6月の契約時には、建設事業者としてチェコのシュコダグループやロシアのアトムストロイエクスポルト及びイタリアのエネルなどの外国企業が現地企業と合同で参加していた。しかしその後、アトムストイエクスポルトなど一部企業は事業から撤退している。
両原子炉の定格出力は各471メガワット。完成すればスロバキアの電力需要の13%を供給することができる。