シーメンス―ロンドン地下鉄受注―

ロンドン交通局(TfL)は15日、地下鉄車両の調達に向けた入札で独シーメンスの現地子会社シーメンス・モビリティが落札したと発表した。同入札には日立と加ボンバルディアの合弁会社と仏アルストムも参加しており、競り勝った格好だ。

ロンドン北東部と西部を結ぶピカデリー線向けに94編成を開発・製造する。受注額は15億ポンド(17億ユーロ強)。シーメンスはロンドンの他の3路線向けの車両でも受注を獲得する可能性が高いという。

ピカデリー線向け車両を製造するために、英国中東部のグールに工場を建設する。投資額は2億ポンド。23年から引き渡しを開始する。雇用規模は700人で、間接雇用1,700人の創出が見込まれている。

英国ではロンドン~バーミンガム~マンチェスターを結ぶ高速鉄道路線「HS2」の建設も計画されている。シーメンスはHS2の入札にも参加し、落札した場合はゴール工場で生産する考えだ。

シーメンスは11年、ロンドンの近郊鉄道網テムズリンクの車両入札で落札した。これを受け受注を逃したボンバルディが英ダービー工場の雇用規模を半減したことから議会が問題視。車両入札手続きが適正に行われたかの調査を実施した。シーメンスは最終的に受注契約に調印したものの、調印が13年6月へと大幅にずれ込んだ経緯がある。同社はこれを踏まえて、現地に工場を建設する。

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