伊エネルギー大手エニは12日、カザフスタンのアクトベ州北西部バダムシャで風力発電所を設置・運営する計画を明らかにした。同社は再生可能エネルギー事業拡大に向けて4年間で12億ユーロを投じる方針を掲げており、当該プロジェクトもその一環となる。発電能力は50メガワットで、同社の風力発電事業としては最大の案件となる。
バダムシャ風力発電所は数カ月内に着工し、2019年末までに送電網に連結して営業運転を開始する予定だ。アクトベ州に年間約198ギガワットの電力を供給する。
エニは昨年6月、米ゼネラルエレクトリック(GE)と共同で、カザフスタンのボズンバエフ・エネルギー相と同国の再可エネ促進への取り組みで覚書を交わした。バダムシャ風力発電所はその第1歩にあたる。このほか、上流事業および再可エネ分野で複数の戦略提携合意を交わすなど、同国事業拡大に意欲的だ。
エニは1992年にカザフスタンに進出し、カラチャナガク油田を英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル傘下のブリティッシュガスと共同開発しているほか、カスピ海北部でカシャガン油田など複数の開発プロジェクトに出資している。カスピ海沿岸のイサタイ地方には国営カズムナイガス(KMG)との共同開発油田がある。