クロアチアの政府系石油大手INA(インドゥストゥリヤ・ナフテ)は20日、伊石油大手エニのクロアチア子会社、エニ・クロアチアBVを買収し北アドリア及びマリツァ(Marica)の2つの海上ガス田を取得すると発表した。取引額は明らかにされていない。当局の承認を経て、INAは両ガス田を単独で保有し運営することになる。INAはエニと共同で両ガス田の権益を50%ずつ保有していた。
今回の取引により、INAは確認・未確認埋蔵量合わせて430万石油換算バレルのガス田を取得し、日量2,500石油換算バレル(38万立方メートル)の天然ガス生産能力を持つことになる。
INAによると、北アドリア・ガス田で生産される天然ガスはクロアチアの国内向けパイプラインに直接送られる。一方マリツァ・ガス田で生産されたガスは、エニとの販売契約に基づき引き続きイタリアに輸出される予定。
クロアチアは天然ガスを年間13億立方メートル生産する一方でロシアからの輸入も行っている。昨年9月には同国の電力会社プルボ・プリナルスコ・ドルストボ(PPD)がロシア国営ガスプロムとの間で年間10億立方メートルの購入契約を締結している。同国はまた、アドリア海のクルク島に年間260万トンの処理能力を持つ液化天然ガス(LNG)ターミナルの建設を計画している。