欧州連合(EU)加盟国は6月26日に開いた総務理事会で、マケドニアとアルバニアとの加盟交渉開始を承認した。ただし、両国が加盟条件を満たすための改革を続けるという条件付きで、交渉開始も2019年6月まで先送りする。
バルカン諸国ではスロベニア、クロアチアがすでにEU加盟を果たした。モンテネグロとセルビアが加盟交渉を行っている。
マケドニアは2005年、アルバニアは14年に加盟候補国として認定されたが、EU入りに向けた次のステップとなる加盟交渉開始は見送られてきた。両国の政治・経済改革や汚職、組織犯罪対策の遅れが表向きの理由だが、EUが多くの旧共産圏諸国を短期間に受け入れたことで“拡大疲労”に直面していることも背景にある。マケドニアに関しては、国名をめぐってギリシャと対立していたことも障害となってきた。
加盟国はマケドニアとギリシャが先ごろ国名問題で合意したことなどを受けて、欧州員会が4月に行った勧告を受け入れ、同国とアルバニアと交渉を開始することを承認した。両国が司法、汚職、組織犯罪対策などを引き続き推進することが条件となる。
同決定をめぐっては、フランスとオランダが早期の交渉開始に反対した。改革の進展を確認する必要があるという理由だが、両国との交渉開始によって中東欧・バルカン諸国から移民が大量に流入する問題が再燃し、来年の欧州議会選で極右勢力を利するとの懸念が主因とされる。このため、交渉開始を欧州議会選終了後の6月に先送りするという妥協案がまとまり、決着にこぎ着けた。