ロシア連邦統計局(ロススタット)が先ごろ発表した5月の鉱工業生産高は前年同月比で3.7%増加し、5月連続のプラスとなったものの、伸び幅は前月から0.2ポイント縮小した。同時に発表された昨年1年間の伸び率は当初発表の前年比1%増から2.1%増に改定された。改定の背景には産業分類の変更などデータ作成方法の変更がある。
分野別に見ると、製造業は5月に前年同月比5.4%増と好調な伸びを見せ、年初以来連続のプラス成長となった。鉱業も1.3%増加した。電力・ガス・水道は0.7%減少した。
1-5月期の鉱工業生産高は前年同期から3.2%増加した。
ブルームバーグによると、今回の改定をエコノミストの多くは驚きをもって受け止めた。ブルームバーグ・エコノミクスのジョンソン氏は「データの質の点では前進だが、過去のデータとの整合性が低いのが問題だ」と述べた。一方、JPモルガン・チェースとVTBキャピタルは、改定値は工場の生産高やその他の数値とより整合したものだとの見方を示した。
ロシアのアルファ銀行は2017年の数値が上方修正されたことで、ベース効果により今年後半の成長率にネガティブな影響が出るとしている。