INDIA 2.0

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループのチェコ子会社であるシュコダ自動車が2日、ニューデリーで発表したインド戦略。VWブランドと共に長期的に同国で5%までの市場シェア獲得を目標に掲げる。

VWはこれまでに、スズキ、インドのタタ・モーターズとの提携を通してインド事業の強化を試みたが、いずれも失敗に終わった経験を持つ。3度目はグループ傘下のシュコダにインド事業を託した。

VWグループは同プロジェクトに10億ユーロを投資する。資金は主に2019~2021年に投入する計画。インド市場の顧客ニーズに対応するため、現地で開発・生産したモデルを市場投入する計画で、インドにプロジェクトハウスを設ける。将来はインドで生産したモデルの輸出も視野に入れている。

シュコダはインド市場向けにプラットフォーム「MQB」をベースにしたA0セグメントのモデル(MQB‐A0‐IN)を開発する。最初に発売するモデルはA0セグメントのSUVで2020年の市場投入を計画している。

同プロジェクトで開発するモデルは当初、インド市場での販売に重点を置き、第2段階として、輸出も視野に入れている。メディア報道によると、東南アジアや中東、南米、アフリカなどへの輸出が予想されている。

シュコダ自動車のベルンハルト・マイアー社長は同プロジェクトについて、「我々が初めてグループ全体の責任を負うプラットフォームであり、同時に地域全体を担当することになる」と述べ、同プロジェクトへの意欲を示す。

VWグループは傘下の各ブランドが世界の特定地域を担当する戦略を発表しており、シュコダは、ロシアとインドの担当となった。

2017年のインドの新車市場の規模は約325万台で、VWグループの市場シェアは約2.3%(約7万4,000台)にとどまっている。マイアー社長は、「市場やセグメントの動向によるが、VWブランドと共に長期的に5%までの市場シェア確保を目指す」と説明する。

専門家はインドが近い将来、中国、米国に次いで世界3位の自動車市場に躍進すると予想している。インドは、人口に対する自動車保有率が低く、今後の成長潜在性が高いと見込まれている。

経営コンサルティング大手のマッキンゼーは今後5年以内にインドの新車市場が年500万台に達すると予想している。

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