ランクセス―米国に5億ユーロ投資へ―

化学大手の独ランクセス(ケルン)は今後4年間で米国に計5億ユーロ強を投資する計画だ。マティアス・ツァッヒェルト社長が経済紙『ハンデルスブラット』に明らかにした。米国を震源とする通商摩擦がエスカレートする懸念があるものの、同社長は摩擦が激化した場合はすべての国が敗者になると指摘。「そうした事態は誰も望まないため、やがて理性が回帰する」との見方を示した。

ランクセスは米国工場の近代化と拡張に向けて投資を行う。同国の産業促進的な経済政策を高く評価しており、ツァッヒェルト社長は「エネルギーコストはドイツの3分の1に過ぎず、経済は成長している。さらに税制改革も有益だ」と述べた。

米国が輸入自動車の関税を仮に引き上げると、同社は大きな痛手を受けるとみられる。合成ゴムや高性能樹脂などを自動車業界向け製品が売上全体(昨年97億ユーロ)の4分の1を占めるためだ。

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