ボーイング、ロシアでのチタン製部材調達に180億ドル

米航空機大手ボーイングは先ごろ、ロシアのチタン製造最大手VSMPO-AVISMAと設立した合弁会社、ウラル・ボーイング・マニュファクチャリング(UBM)からチタン製の航空機部材を調達する計画を明らかにした。調達額は今後30年間で約180億ドルに達する。

VSMPOはロシアの国営ハイテク企業グループ、ロステック(Rostec)傘下で世界最大のチタン及びチタン製品メーカー。ロステックなどによると、ボーイングは1997年以来、チタン原料及びチタン製品の大半をVSMPOから調達してきた。同社との現行の供給契約は2020年に終了する。

購入したチタン及びチタン製品は主としてボーイングの双発長距離旅客機「ボーイング777」と「787ドリームライナー」の部材として使用される。同社によると787ドリームライナーの部材の15%はチタン製となっている。

UBMはボーイングとVSMPOの折半出資で設立された。ウラル地方のヴェルクニャヤ・サルダにある工場では、ボーイングのみならず欧州航空機大手エアバスの超大型旅客機「A380」向けの部品も生産している。同工場はスベルドロフスク州の「チタン・バレー経済特区」に位置している。

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