自動車向け内装品・シート製造大手の独グラマーは8月9日、中国の自動車部品メーカー、寧波継峰汽車零部件が傘下のJiye Auto Parts GmbHを通してグラマーの株式の約48.45%を取得したと発表した。寧波継峰汽車零部件はグループ会社を通してすでに、グラマーの株式の25.56%を保有している。これにより、寧波継峰汽車零部件は合計で、グラマーの株式資本の約74%を取得したことになる。買収手続きは2018年第3四半期に完了する予定。
グラマーと寧波継峰汽車零部件は2017年2月から戦略提携関係にある。寧波継峰汽車零部件は6月にグラマーの株主に対し、1株あたり60ユーロの買収提案を提示していた。これはグラマーを7億8,000万ユーロと評価した計算となる。
メディア報道によると、グラマーの株式の19%を保有していたドイツ・ボスニア系の事業家ハストール一族は、グラマーから資本撤退する。寧波継峰汽車零部件の出資拡大により、戦略的な目標の実行が困難と判断したと見られている。ハストール一族がグラマーに資本参加した2016年当時の株価は、寧波継峰汽車零部件の提示価格の約半額であったことから、ハストール一族は今回の取引で約7,000万ユーロの利益を得たと見られている。