グラマー社長、米中事業を強化

自動車向け内装品・シート製造大手の独グラマーのハルトムート・ミュラー社長はこのほど、今後は、中国事業を強化するとともに、5月に買収を発表した米国の熱可塑性樹脂部品メーカー、トレド・モールディング・アンド・ダイ(TMD)のグラマーへの事業統合を進めていく方針を示した。

同社長は、「米国とアジアの市場成長は単純に欧州市場よりも速い」と述べ、欧州における売上シェアが2022年には約45%となり全体の5割を下回るとの見通しを示した。これに対し、米国の売上高は全体の35%または8億ユーロ以上に拡大すると予想している。中国を中心とするアジアの売上高は2022年までに60%以上伸び、全体の約20%に相当する4億5,000万ユーロに拡大すると見込んでいる。

米TMDの買収は、売上高拡大に寄与するだけでなく、米国での生産を強化できるため、不安定さが増している為替変動や激しさを増す米国と欧州間の貿易摩擦の防衛策にもなり得る。ただ、ミュラー社長は、「欧米間、米中間における貿易摩擦により、双方が関税を引き上げれば自動車業界全体や経済にとっては大きな負担となり、当然、我々にとっても問題になる」と述べ、外交上の解決を求めた。

上部へスクロール