トヨタ自動車―WLTP対応を第2四半期中に完了―

トヨタ自動車は6日、欧州連合(EU)域内で1日以降に新車登録する乗用車に義務づけられる新しい排ガス検査を同社のすべてのモデルで完了したと発表した。第2四半期中に完了しており、顧客への新車引き渡しに支障は出ていない。競合フォルクスワーゲン(VW)グループなどは新検査への対応が遅れ、顧客に引き渡せない車両の在庫が膨らんでいる。

EUでは従来、「新欧州ドライビングサイクル(NEDC)」という検査方式で排ガス試験を行ってきた。だが、NEDCで測定される排ガス値は実際の走行の数値と大きく食い違うことから、9月1日以降に新車登録する車両には実走行に近い数値が得られる「世界統一試験サイクル(WLTP)」という新しい検査方式が義務づけられるようになった。

WLTPでは派生モデルや特別装備が車重、空気抵抗にもたらす影響も踏まえて検査を行わねばならないなど、NEDCに比べて手間ひまがかかる。このためメーカーによっては9月1日の期限を遵守できず、顧客への新車引き渡しを見合わせざるを得ないケースが多数、出ている。

WLTPで検出される二酸化炭素(CO2)の量はNEDCよりも高くなる。トヨタは「プリウス」プラグインハイブリッドモデルのCO2排出量が走行1キロメートル当たり28グラムにとどまったことを指摘。これまでに引き続きドイツの環境対応車助成金を受給できることを明らかにした。

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