ロシア政府は16日、北西シベリアの「北緯圏鉄道」建設・運営事業について、地元建設会社スペッツトランスストロイ傘下のSShKhと契約することを明らかにした。入札ではSShKhが唯一応札したことから、同社と契約することになる。現地メディアによると、同鉄道の総工費約2,350億ルーブル(29億8,000万ユーロ)のうち、SShKhが約1,130億ルーブルを拠出するとみられる。
北緯圏鉄道プロジェクトは、スターリン政権下の1940年代に着手した東西シベリアを結ぶサレハルド・イガルカ鉄道計画の敷設済み区間を一部利用するもので、オブスカヤからコロチャエヴォまで全長707キロメートルに及ぶ。SShKhはサレハルドとナディムを結ぶ353キロメートルの新設区間とオブ川とナディム川の鉄橋の建設権、および全区間の運営権を取得する。
同事業には昨年3月末、天然資源に恵まれた地域の鉄道プロジェクトとして、ロシア国鉄(RZhD)と国営ガス会社ガスプロムがいち早く投資参加を決めた。RZhDはパンゴディからノヴィ・ウレンゴイを経由してコロチャエヴォに至る既存区間の刷新工事と、他の区間との連結工事を引き受ける。ガスプロムはナディムとパンゴディを結ぶ112キロメートルの工事を請け負う。全区間の完成は2023年を予定する。(1RUB=1.63JPY)