ロシア政府、デジタル化の国家プロジェクトに1兆ルーブル

ロシア政府が同国で計画されている国家プロジェクト「デジタル経済」に対し、2024年までの5年間で1兆ルーブル(約126億2,200万ユーロ)を投ずることを検討している。デジタル発展・通信・マスコミ省のノスコフ大臣が4日明らかにした。同プロジェクトの予算額は当初1兆5,000億ルーブルと報じられていた。

同プロジェクトは通信インフラの整備やITセキュリティの強化などを通して、国全体のデジタル化を推進することを目的としている。政府のほか通信事業者や大手銀行、研究機関などとの協力を推進していことが計画されているが、予算額が十分でないとの指摘も一部で出ている。

同プロジェクトはプーチン大統領が2016年12月の年次教書演説で同国のIT部門の遅れを指摘したことに端を発するもので、17年5月に8つの具体的な分野を指定して発表された。予算額については今年8月、現地紙『ベドモスチ』が政府関係者の話として最大1兆5,000億ルーブルと報じていた。現時点ではプロジェクト分野の数も当初の8分野からITインフラ、ITセキュリティ及び研究開発などの5分野に縮小されている。

これに対しロシアのIT企業が加盟する業界団体、ロシア電子通信連盟(RAEC)は政府の投資額は他国に比べ不十分だと批判している。同連盟によると、欧州では第5世代(G5)通信とブロードバンド通信網の拡大に6,000億ユーロを投じることが計画されている。

同プロジェクトには政府系通信大手ロステレコムや携帯通信大手メガフォンのほか、モスクワ近郊のハイテクセンター、スコルコボや最大手銀行の国営ズベルバンク、通信事業者のMGTSやMTSの参加も計画されている。(1RUB=1.63JPY)

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