ダイムラーのツェッチェ社長退任へ、21年から監査役会長に

自動車大手の独ダイムラーは26日、ディーター・ツェッチェ社長(65)が来年の株主総会で退任するとともに、次期監査役会長に就任する方針を発表した。取締役会の若返りを図るとともに経営方針の継続性を保つことが狙い。次期社長にはオーラ・ケレニウス研究開発担当取締役(49)が就任する。

取締役が退任直後に監査役に就任することは禁じられているため、ツェッチェ社長は退任後2年間、同社を離れる。監査役会長には2021年の株主総会で推薦される。自動車業界は車両の電動・IoT化など大きな転換期を迎えていることから、同社はツェッチェ社長を監査役会長に選任に、車(ハードウエア)メーカーからモビリティ企業への脱皮に向けた「CASE戦略」を確実に推し進めていく考えだ。

ツェッチェ社長は1976年に入社。当初は研究職につき、その後は販売を含む様々な畑を歩いてきた。取締役には98年に就任し、米国部門クライスラー(当時)の再建などで優れた手腕を発揮した。06年の社長就任後はユルゲン・シュレンプ前社長の「世界株式会社(Welt AG)」戦略で悪化した業績を再建。高級車市場1位の地位を競合BMWから奪回することにも成功した。

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