自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は13日、競合フォルクスワーゲン(VW)グループの中古車仲介サイト「ヘイカー(HeyCar)」に20%出資すると発表した。中古車を仲介サイトで購入するとともに関連の金融サービスを同じサイト上で受ける消費者が増えていることから、金融子会社ダイムラー・ファイナンシャル・サービシズを通して資本参加を決めた。出資額は非公開。規制当局の審査を経て取引が第4四半期(10~12月)に完了すると見込んでいる。
ヘイカーはVWグループだけでなく競合ブランドの中古車も取り扱う仲介サイトとして昨年10月、VWの金融子会社フォルクスワーゲン・ファイナンシャル・サービシズが立ち上げた。
ダイムラーはヘイカー事業の統括会社であるモビリティ・トレーダー・ホールディングの第三者割当増資を引き受けて資本参加する。また、モビリティ・トレーダー・ホールディングの独事業会社モビリティ・トレーダーに役員1人を送り込む。ヘイカー事業を他の国に広げる場合はそれぞれの現地事業会社にも役員1人を送り込む。
ドイツの中古車仲介サイト市場ではモバイル・デーエーとオートスカウト24が圧倒的なシェアを持つ。モビリティ・トレーダーは出展事業者と車両の信頼性を保証することで、両社からシェアを奪い取っていく方針で、仲介に当たっては出展する自動車販売事業者と車両を厳選。消費者が安心して購入できるようにした。契約先の自動車販売店は現在、1,000社強で、出展車両数は30万台を超えた。VWは更なる投資家の出資を積極的に受け入れる姿勢を示している。