NEDOと日立製作所は25日、来月からスロベニアの国営送電会社エレスと共同でクラウド型エネルギー管理システム(AEMS)の実証を開始すると発表した。現在取り組んでいるスマートコミュニティ実証事業を拡充するもので、エネルギーサービス事業の実現を目指す。
3社はAEMSを構築することで、工場、ビル、家庭など需要家側に設置した蓄電池などと連携し、◇系統事故時の自立運転による停電回避◇瞬時電圧低下による重要設備への影響をなくす◇送電事業者への調整力の提供――を可能にしたい意向だ。実証の結果を踏まえ、欧州の大口需要家や電力小売り事業者を照準にAEMSサービスを提供するビジネスモデルを検討する。
3社が取り組むスマートコミュニティ事業では、この夏から中小配電会社向けのクラウド型統合配電管理システム(DMS)の実証が始まっている。再生可能エネルギーの普及と電力需要の増加をにらみ、適正電圧の維持や停電時間の短縮などの課題解決を目指している。