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マケドニア、国名変更めぐる国民投票が不成立

2018年10月4日発行 No.1083号

マケドニアで9月30日、EUと大西洋条約機構(NATO)への加盟に向けて国名を変更することの是非を問う国民投票が実施された。圧倒的多数が「北マケドニア」への変更を支持したが、投票率が50%を大きく割り込み、投票は不成立となった。今後は議会で決めることになるが、支持派の与党は必要な議席を確保しておらず、国名変更が困難な情勢となってきた。

国民投票では、マケドニアが国名をギリシャとの合意に基づいて変更し、NATOとEUに加盟することを支持するかを問うもの。開票率が97%を超えた時点、賛成派が91.3%、反対派が5.7%と、変更支持派が圧倒的に多かった。しかし、投票率は36.8%にとどまり、成立に必要な50%に届かなかった。

マケドニアは1991年に旧ユーゴ連邦から独立した際、憲法で正式名称を「マケドニア共和国」とした。しかし、ギリシャが古代ギリシャの英雄アレキサンダー大王の出身地である同地の名前を全面に出した国名に反発。マケドニアのEU、NATO加盟にギリシャが拒否権を発動し続ける状態が続いていた。

両国政府は6月、マケドニアを「北マケドニア共和国」とすることで合意。両国議会の批准によって新国名が正式に採用されることになった。マケドニアでは憲法改正が伴うため、国民投票実施が必要だった。

マケドニア国内では、国名をギリシャに譲歩して変更することに批判的な勢力もあるものの、大多数がEU加盟のため必要として支持しており、投票で変更支持派が多数を占めるのは確実と見られていた。このため、反対派は投票をボイコットすることで投票率を下げ、不成立に追い込む戦略に打って出た。これが奏功した結果となった。

国民投票に法的拘束力はないが、マケドニア議会は結果を踏まえて、国名変更の可否を採決することになっている。与党・社会民主同盟を率いるザエフ首相は30日夜、国民投票は不成立となったものの、国民が国名変更を支持しているのは明らかとして、議会が改憲を可決するのは当然との見解を表明。議会での承認手続きを進める意向を表明した。

ただ、議会では定数120のうち国名変更に反対する最大野党の右派「内部マケドニア革命組織・マケドニア国家統一民主党(VMRO-DPMNE)」が49議席を確保して入り、与党は承認に必要な3分の2を割り込んでいる。VMRO-DPMNEのミッコスキ党首は、国民投票が不成立に終わった以上、たとえ改名支持派が多くても、議会採決で反対票を投じることに問題はないとして、承認を拒否する姿勢を堅持している。

このため、議会で国名変更が承認されるのは難しい見通し。ザエフ首相は議会で承認されなかった場合、解散総選挙に打って出る方針を示した。

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