スイスの製薬大手ノバルティスは18日、放射性医薬品を手がける米国のエンドサイトを21億ドルで買収すると発表した。ノバルティスは中核の医療用医薬品事業に経営資源を集中させる取り組みを進めており、エンドサイトの買収もその一環。先端医療を経営の柱とする戦略を推進する。
発表によると、ノバルティスは1株当たり24ドルでエンドサイトの全株式を取得する。これは17日の終値に54%上乗せした水準。エンドサイトは前立腺がん向けの新薬を開発中。米国では2021年の発売が見込まれ、売上高は10億ドルを超えるとみられている。
ノバルティスはがん治療薬などの医療用医薬品事業を強化しており、昨年10月には放射性医薬品を専門とする仏アドバンスト・アクセラレーター・アプリケーションズ(AAA)を39億ドルで買収すると発表。今年4月には遺伝子治療薬に強みを持つ米エイベックシスを87億ドルで買収する計画を発表した。
一方、同社は6月に眼科関連事業の子会社アルコンをグループから分離し、19年前半にスイスおよびニューヨーク証券取引所に上場させる計画を打ち出した。また、9月には後発医薬品子会社サンドの米国事業の一部をインドの同業オーロビンド・ファーマに売却すると発表している。