英製薬大手アストラゼネカは23日、仏バイオ医薬品メーカーのイネイト・ファーマとの提携関係を拡大すると発表した。アストラゼネカはイネイトへの出資を含む広範な提携を通じ、がん免疫治療の分野で主導権獲得を目指す。
アストラゼネカとイネイトは2015年にがん領域における医薬品の開発および商業化に関する最初の提携を結んだ。発表によると、アストラゼネカはイネイトとの長期的提携を視野に、新株発行を通じてイネイトの株式9.8%に相当する626万株を1株当たり10ポンドで取得する。さらに総額1億7,000万ドルをイネイトに支払い、分子標的薬の1つであるモナリズマブのがん領域における全ての権利を取得するほか、複数のがん種の調整T細胞と腫瘍細胞の両方に過剰発現する膜結合性細胞外酵素のCD39を標的とする抗体(IPH5201)と、前臨床段階にある4つの化合物について、共同開発や商業化などの権利を取得する。
一方、イネイトはアストラゼネカに最大7,500万ドルを支払い、有毛細胞白血病の治療薬である「Lumoxiti」の米国および欧州における商業化の権利を取得する。なお、同薬は先に米食品医薬品局(FDA)の承認を取得している。