ボーイングの英工場が開業、欧州初の製造拠点に

米航空機メーカーのボーイングが建設を進めていた、欧州初の製造拠点となる英イングランド北部シェフィールドの工場が25日、正式に開業した。英国は5カ月後にEU離脱を控えており、同工場は英産業界に対する信任の象徴と受け止められている。

ボーイングは4,000万ポンド(約57億5,000万円)を投じてシェフィールド工場を建設した。同工場では52人を雇用し、主力短距離機「737」と広胴機「777」向けにフラップなど翼の作動用部品を生産。米オレゴン州ポートランドのボーイング工場に出荷する。

開業式に出席したクラーク産業戦略相は「ボーイングが南ヨークシャーを欧州初の製造拠点に選んだことは、英国の能力と人材、サプライチェーンに対する信任の証だ」と強調した。

英国ではEU離脱に伴う先行き不透明感から海外直接投資が減速しており、離脱交渉の結果に拘わらず、経済成長も鈍化するとみられている。こうした中、英国で6,000人以上を雇用する欧州航空機大手エアバスは、離脱交渉が不調に終わった場合、拠点の縮小や英国からの撤退を検討せざるを得ないと警告している。

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