BASF、広汽研究院とコンセプトカーを共同開発

独化学大手のBASFは、このほど開催された「広州モーターショー2018」(11月17~25日)にGAC R&Dセンター(広汽研究院)と共同開発したコンセプトカー3台を出展した。2人乗りの電気自動車で、高齢者(シニア)、女性、カーシェアリングの3つの異なるターゲットグループ向けのモデルを開発した。BASFが中国の自動車メーカーとコンセプトカーを共同開発したのは今回が初めて。コンセプトカーには、車体や車載電池、塗装などにBASFの材料を使用している。

今回出展したコンセプトカーの開発では、中国で女性やシニアのドライバーが増加していることや、都市部における移動(モビリティ)コンセプトとしてカーシェアリングが普及しはじめていることに配慮した。

シニア向けのコンセプトカー「2US」は、2人乗りの電気自動車で、乗降車を容易にするため、シートが90度回転する。女性ドライバー向けに開発したコンセプトカー「2U」では、BASFのポリアミド成形材料「ウルトラミッド・ビジョン」を使用した透明な装飾がシートに施されているほか、BASFの3Dプリント材料「Adsint TPU」が助手席のシートカバーに使用されている。

カーシェアリングでの利用を想定したコンセプトカー「2ALL」では、手入れの必要を少なくするため、バンパーに引っかき傷がつきにくい塗装を施したり、快適性と丈夫さを兼ね備えた素材をシートのクッションに使用したりしている。

GAC R&Dセンターは、中国自動車メーカーの広汽集団(GAC)が2006年に設立したイノベーション・テクノロジーセンターで、約4000人の研究者を抱えている。

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