ポーランドとデンマークを結ぶ天然ガスパイプライン敷設へ

ポーランドの送ガス事業者ガスシステムとデンマーク国営送電・送ガス会社エネルギーネットが共同で、両国を結ぶガスパイプライン「バルティック・パイプ」を敷設する。ノルウェー産天然ガスをポーランドに供給できる態勢を整え、ポーランドのロシアに対するガス依存を緩和する狙いがある。推定16億~21億4,000万ユーロの総工費のうち、5,140万ユーロを欧州連合(EU)からの助成で賄う。

バルティック・パイプは全長900キロメートル。ポーランドとロシアの長期天然ガス調達契約が満了するのに合わせ、2022年10月に開通する予定だ。年間輸送能力100億立方メートルのうちほとんどをポーランド国営ガス・石油大手PGNiGが利用する。同社はノルウェーのガス田で生産を予定する年25億立方メートルをバルティック・パイプで輸送する計画だ。

ポーランドは現行の調達契約に基づき、ロシアから天然ガスを最大で年間102億立方メートル輸入している。国内需要の半分以上がロシア産だ。

ポーランドはこの依存を弱めるため、天然ガス調達の多様化を進めている。同時に中欧のガス取引で中心的な役割を果たしたい意向だ。この戦略に基づき、シフィノウイシチェの液化天然ガス(LNG)受入基地の能力拡大を含め、チェコ、スロバキア、ハンガリーを経由してポーランドとクロアチアのLNG基地を結ぶ南北パイプラインの整備に取り組んでいる。バルティック・パイプも、これを補完する役割が期待される。

調達先の多様化では、PGNiGがこの秋、米国企業と2本の長期LNG調達契約を結んだ。

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