VWグループ販売が3カ月連続減少、18年通期は微増見通し

自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)が14日発表した11月のグループ新車販売台数は前年同月比5.4%減の94万900台へと後退し、3カ月連続で落ち込んだ。最大市場の中国と足元の欧州が振るわず、全体が強く押し下げられた。1〜11月の販売台数は前年同期を上回っており、2018年全体では微増を見込んでいる。

11月の欧州販売は前年同月比3.0%減の35万3,000台へと落ち込んだ。欧州連合(EU)の排ガス検査方式が変更されたことがこれまでに引き続き響いた格好。ただ、9月、10月に比べると減少幅は縮小しており、販売は正常化に向かっている。

欧州販売を地域別でみると、西欧は3.9%減の28万3,100台へと後退。ドイツ本国は4.9%落ち込んだ。中東欧は0.9%増の7万台となり、2カ月連続で拡大した。EU規制の影響を受けないロシアが22.8%増の2万2,900台と好調だったことが大きい。

アジア太平洋は6.8%減の42万6,800台と振るわなかった。米国との通商摩擦を背景とする中国市場の冷え込みが響いた格好で、同国販売は7.3%減の39万9,500台へと落ち込んだ。

北米は6.2%減の7万9,300台で、主力の米国は8.1%減の4万9,900台へと後退した。

南米は5.4%増の5万400台へと拡大した。同地最大のブラジルで伸び率が22.3%に達したことが大きい。

ブランド別でみると、乗用車はセアト(7.2%増の4万3,300台)を除いてすべて減少した。各ブランドの実績はポルシェが2.7%減の2万100台、シュコダが3.9%減の11万100台、VWブランド乗用車が5.0%減の56万4,500台、アウディが16.7%減の13万2,700台。商用車は大型トラックのMANが19.4%増の1万3,400台と好調だったほか、VWブランド商用車(4.1%増の4万6,100台)とスカニア(0.4%増の9,100台)も前年同月を上回った。

1-11月期のグループ販売台数は991万7,800台で、前年同期を1.8%上回った。1.4%減となった北米を除くすべての主要地域で増加。各地域の増加幅は南米で12.1%、中東欧で7.6%、アジア太平洋で2.5%、西欧で0.6%に上った。中国は2.2%増の380万4,400台だった。

ブランド別ではMAN(21.3%増)とセアト(13.1%増)が2ケタ台の伸びを記録。その他はスカニアが6.1%増、シュコダが5.1%増、ポルシェが3.4%増、VWブランド乗用車が1.2%増、VWブランド商用車が0.1%増、アウディが1.2%減だった。

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