電線大手の独レオニは7日、中期目標を撤回した。業績悪化を受けたもので、2020年まで売上高を年5%拡大するとともに、売上高営業利益率(EBITベース)で5%以上を実現するとした目標は達成できないことを明らかにした。
同日発表した18年12月期暫定決算のEBITは1億4,400万ユーロとなり、前期を37%下回った。ワイヤーハーネス事業が特に振るわず、大きな足かせとなった。売上高は51億ユーロで、前期の49億ユーロを4%上回った。
ワイヤーハーネス部門ではメキシコ新工場の初期コストが膨張。自動車メーカーからの受注も減少している。
同社は業績改善に向けた措置を強化する方針を打ち出した。メキシコ新工場には専門スタッフを派遣し、対策を講じる意向だ。
レオニはこれまで買収をテコに事業を拡大。自動車業界向け事業が好調だったこともあり、順調な成長を続けてきた。
ここにきて業績が悪化したことについて昨秋就任のアルド・カンパー新社長は「(同社が)自ら問題を作り出した」と述べた。本社と各現場のコミュニケーションがうまく機能しておらず、これがリスクの見落としにつながったもようだ。同社長は「2018年の業績は全く遺憾であり受け入れられない」と発言。レオニが抱える問題は「これまで把握していたよりもはるかに深刻だ」として、収益力改善にむけて抜本的な措置を取る意向を表明した。3月19日の決算記者会見で詳細を発表する。