フォルクスワーゲン(VW)傘下企業で大型ディーゼルエンジンとターボを手がけるMANエナジー・ソリューションズ(旧MANディーゼル・ウント・ターボ)は26日、電解槽などの開発を手がける独H-テック・システムズの資本40%を再生可能エネルギー分野のプロジェクト会社GPジュールから譲り受けることで合意したと発表した。再生エネを用いて燃料を合成する技術を強化する狙い。取引金額は公表しないことで合意した。H-テック・システムズの資本を将来、GPジュールから買い増し子会社化ないし完全子会社化するオプション権も取得した。
H-テック・システムズは20年以上前から水素技術の研究・開発に取り組んでいる。具体的には電力を用いて水素を製造するためのスタックと電解槽を手がける。従業員は20人。2010年にGPジュールの子会社となった。
天候に大きく左右される再生エネの発電量は電力需要を大きく上回ることがある。そうした余剰電力を用いて電気分解を行うと水素などの燃料を獲得できることから、多くの企業が商業化を目指している。現時点で商業生産は難しいものの、MANエナジー・ソリューションズは将来性が高いとみて同分野の技術を強化中だ。