BMW社長、「BMWらしさはこれからも健在」=デジタル会議「DLD」

独自動車大手BMWのハラルド・クリューガー社長はミュンヘンで開催されたデジタル会議「DLD」(1月19~21日)で、自動車業界が技術における急速な転換期に直面している現状について語った。同社長は、感情面(エモーション)の重要性を強調し、内燃エンジン車、ハイブリッド車、電動車、自動運転車のいずれにおいても「BMWに乗っているという感覚は常に残る」と述べ、「BMWらしさ」はこれからも健在であると強調した。

BMWは自動運転の分野では、昨年にウンターシュライスハイム(ミュンヘン近郊)に開発センターを開設した。同センターには現在、開発者・エンジニアが約1,000人勤務しており、将来は2,000人に増える予定。2021年には高速道路で最高速度が時速130キロメートルの自動運転が可能な「iネクスト」を市場投入する計画。

クリューガー社長はこのほか、同社の戦略について、「製品ではなく、顧客にフォーカスする戦略に転換した」と述べ、「顧客が何を求めているかを知り、顧客が求めていないものは提供しない」と言及した。顧客ニーズに関する情報を収集・分析するため、4年前にマイクロソフトと共同でBMWバックエンドのプラットフォーム上に顧客ニーズを統合するシステムを構築したという。現在は、約400万人の顧客が当該プラットフォームに登録されている。

クリューガー社長はさらに、「我々はテクノロジー戦争の中におり、すべての会社は生き残らないだろう」との見解を示したうえで、BMWは自動車メーカーからテクコンツェルンになると言及した。BMWでは現在、機械工よりもソフトウエアのエンジニアの採用数の方が多いという。

また、同社長は、未来が予測できないからこそ、準備が必要であるとの考えを示し、例として、「2023年のロシアにおけるBMWの電動車の販売台数を誰が予測できるだろうか?10台かもしれないし、1万台かもしれない」と述べ、いずれの状況においても対応できる体制を今から整えておかなければならない、との見解を示した。

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