独フォルクスワーゲン(VW)は8日、電動車向け充電サービスを手がける子会社を設立すると発表した。同社は電動車を2020年から本格導入する計画で、充電インフラを自らから提供することで電動車が普及しやすい環境を整える。
新会社エリ・グループをベルリンに設立する。「エリ」は「Electric Life」の略。電動車が今後、スマートホンのように日常生活の一部になることを念頭に命名した。
エリは消費者・法人向けにサービスを提供していく方針で、VWグループの車両を持たない人も顧客として取り込んでいく。一般消費者向けには自宅での充電サービスを提供する。深夜電力を利用し時間をかけて充電するサービスや充電スピードの速い直流充電サービスなど複数の料金体系を考えている。専用の充電ボックスは自ら開発する。
公共の場に充電設備を設置することも計画しており、まずVWの従業員用駐車場に設置するステーションの数を20年までに現在の1,000カ所から5,000カ所以上に拡大する。EU域内のすべてのディーラーとサービスパートナー(4,000社)の敷地にも同年までにステーションを開設する予定だ。
フリート契約の顧客には利用する車両の電動化を支援していく。販売する電力はすべて再生可能エネルギー由来のものとし、一部は自ら発電する。再生エネであることを証明するために監査機関の認証を受ける。