11月のユーロ圏鉱工業生産1.7%低下、約3年ぶりの大きな下げに

EU統計局ユーロスタットが14日発表したユーロ圏の2018年11月の鉱工業生産指数(季節調整済み、速報値)は前月比で1.7%低下し、前月の0.1%上昇からマイナスに転じた。下げ幅は16年2月以来、約3年ぶりの高水準となる。(表参照)

同月は全分野でマイナスだった。とくに機械など資本財が2.3%低下と、落ち込んだ。中間財は1.2%、エネルギーは0.6%、耐久消費財は1.7%、非耐久消費財は1%の幅で低下した。

ユーロ圏では緩やかな景気回復が続いており、18年7~9月期まで22四半期連続でプラス成長となった。しかし、減速傾向にあり、同期の域内総生産(GDP)伸び率は前期比0.2%と、前の期の0.4%から半減。約4年ぶりの低水準だった。鉱工業生産の不調が鮮明となったことで、10~12月期のGDP伸び率はさらに縮小する見込み。市場では欧州中央銀行(ECB)の利上げが20年以降に先送りされるとの見方が広がっている。

EU28カ国ベースの鉱工業生産指数は1.3%低下。主要国はドイツが1.9%、フランスが1.3%、イタリアとスペインが1.6%、英国が0.4%のマイナスだった。

前年同月比ではユーロ圏が3.3%、EUが2.2%の低下となり、それぞれ前月の1.2%、1.3%の上昇から悪化した。

上部へスクロール