スペインが4月に総選挙、右派政権誕生か

スペインのサンチェス首相は15日、4月28日に総選挙を実施すると発表した。2019年度予算案が否決されて政権運営に行き詰まり、解散総選挙に追い込まれた。世論調査では単独で過半数を獲得できる党はない見込みで、右派政権が誕生する可能性が出てきた。

与党の中道左派・社会労働党は、昨年6月に当時のラホイ前首相に対する不信任案を可決させ、政権交代を果たした。ただ、下院(定数350)の議席が84議席と4分の1を割り込む少数与党で、他党の閣外協力を得て政権を運営してきた。

しかし、19年度予算案をめぐっては、政権交代に協力したカタルーニャ州の地域政党が、同州の独立に向けた住民投票の実施を政府が拒んでいることに反発して反対に回り、13日に予算案が否決された。

最新の世論調査では社会労働党がリードしているが、いずれの党も過半数を獲得できない見込みで、早くも総選挙後の連立交渉に注目が集まっている。

カギを握ることになりそうなのが、極右政党のボックス。現在は国政に進出していないが、昨年のアンダルシア州議会選で支持を集め、極右政党として初めて地方議会で議席を得た。国政レベルでも支持率が拡大している。

スペイン国内では、世論調査で2、3位につける中道右派の国民党、シウダダノスがボックスと手を結び、右派政権が誕生するというシナリオが現時点で有力視されている。

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