18年の英成長率は1.4%、6年ぶり低水準に

英政府統計局が11日発表した2018年通期の国内総生産(GDP、速報値)は前年比1.4%増となり、プラス成長を維持したが、伸び率は前年の1.8%から大きく縮小し、欧州がギリシャに端を発した債務危機で揺れた12年以来6年ぶりの低水準にとどまった。英国が3月末にどのような形でEUを離脱するか見通せないため、企業投資などが落ち込んだことが響いた。

特に減速したのが10~12月期。同期のGDPは前期比0.2%増と、伸び率は前期の0.6%を大きく下回った。個人消費が堅調だったが、企業投資が前期比1.4%減と4四半期連続のマイナスとなった。業種別ではサービス業が0.4%増加したが、製造業が0.9%減、建設業が0.3%減と不振だった。

英国はEUと合意した離脱案が議会で承認されず、3月末に「合意なき離脱」を迫られる懸念が浮上しており、これが企業の投資の大きな障害となっている。英中央銀行のイングランド銀行は先ごろ、19年の予想成長率を1.2%とし、前回の予測から0.5ポイント引き下げた。

ユーロ圏も減速傾向に

ユーロ圏でも景気が減速傾向にある。EU統計局ユーロスタットが14日発表した2018年10~12月期の域内総生産(GDP)の最新統計によると、ドイツは前期比で横ばいだった。前期に続くマイナス成長となり、景気後退入りすることは避けられたが、域内経済を支えるドイツの景気停滞が大きな懸念材料となってきた。(表参照)

ユーロ圏のGDPは速報値と同じ前期比0.2%増で、伸び率は前期から横ばい。14年4~6月期以来、4年3カ月ぶりの低水準にとどまった。主要国ではイタリアが0.2%減少し、前期の0.1%減に続くマイナス成長となり、景気後退入りした。

前年同期の伸び率は1.2%で、前期の1.6%からを大きく縮小した。EU28カ国ベースのGDP伸び率は前期比0.2%、前年同期比1.4%で、それぞれ速報値から0.1ポイント下方修正された。

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