シーメンス―サウジからの巨額受注、契約を見合わせ―

独電機大手のシーメンス(ミュンヘン)がサウジアラビアからの巨額受注契約の締結を見合わせている。ジョー・ケーザー社長が経済紙『ハンデルスブラット』のインタビューで明らかにしたもので、サウジアラビアの反体制記者ジャマル・カショギ氏が在トルコ・サウジ総領事館内で昨年10月に殺害された事件を受けた措置と説明している。

同社はサウジから発電所を受注する方向で交渉を行い、あとは契約調印を残すのみとなっていた。だが、カジョギ記者殺害事件を受けて同国に対する批判が国際的に高まったため、調印を凍結せざるを得なくなった。

ケーザー社長は受注規模が200億ドルに達するだけでなく、同受注の獲得にドイツを中心とする1万人の雇用がかかっていることを指摘。これら多くの被用者に責任を持つ者として、判断を下すのは容易でないと苦しい胸の内を吐露した。

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