バイエル―京大と研究提携、肺疾患の新薬開発に向け―

製薬大手の独バイエル(レバークーゼン)は1月31日、京都大学と肺疾患の新薬開発に向けて研究提携を締結したと発表した。特発性肺線維症(IPF)という疾患の新しい創薬標的を特定する。バイエルは提携の成果を独占的に使用するオプション権を持つ。契約の金銭的な条件は公表していない。「外部のイノベーションアプローチを通じて自社研究を補完するという戦略」に基づいて今回の提携に踏み切った。

IPF は時間の経過とともに肺の組織が厚く硬くなり、しだいに肺機能が低下する進行性の慢性疾患。肺の線維化につながる要因はすでに特定されているものの、IPF の直接的な病因は解明されていないことから、今回の研究提携を通して疾患につながるメカニズムを解明し、創薬標的を特定する。

京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学の佐藤篤靖助教が発見して得た、発病における上皮細胞の役割などに関する専門知識と、バイエルの創薬・開発の専門知識を組み合わせて共同開発していく。両者は新しい治療オプションを特定する仮説を共同設定して検証するために、人材、インフラ、独自のテクノロジーを相互提供する。

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