欧州中央銀行(ECB)は7日に開いた定例政策理事会で、今年の夏以降としていた利上げを来年以降に先送りすることを決めた。世界的な経済環境の悪化でユーロ圏の景気が減速していることを受けたもので、圏内の銀行に9月から低利の長期資金を供給することも決定した。
ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、ユーロ圏の景気の基調は弱く、「不透明感が蔓延している」と述べ、景気の先行きは厳しいとの見方を表明。主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナス0.4%とする超低金利政策を当面は継続する必要があるとして、年内の利上げを断念したことを明らかにした。
さらにECBは銀行の貸し渋り対策として、ECBが2014年から17年にかけて実施した「TLTRO」と呼ばれる長期資金供給オペ(金融機関が融資を増やすことを条件に長期資金を供給するオペ)を9月に再開することを決めた。21年3月まで実施する。