ミュンヘン再保険―世界初の電池性能保険を開発―

ミュンヘン再保険は7日、電池メーカーが顧客に保証した性能を対象とする保険を世界で初めて開発したと発表した。同保険により電池メーカーとその顧客はともに事業やプロジェクトを展開しやすくなることから、再生可能エネルギーの利用拡大に一段と弾みがつきそうだ。すでに顧客を獲得している。

電池メーカーが顧客に保証した電池性能を満たせなかった場合に保険でカバーする。具体的には修理・交換コストが予め取り決めた額を超えると保険金が支給される。保険期間は10年。まずは電力需給の調整に用いられる大型蓄電プロジェクトを対象に保険サービスを提供する。第二弾として電動車にも広げることを視野に入れている。

同サービスにより、電池メーカーの財務リスクが軽減される。また、電池メーカーが保険期間中に経営破綻した場合でも、そのメーカーの電池を用いた蓄電プロジェクトを保険のカバー対象とすることができるため、プロジェクトのリスクが低下する。

同保険の最初の顧客となったのは米電池メーカーESS。同社はメガソーラーなどで発電した電力を蓄える定置型電池モジュールを手がけている。ミュンヘン再保険はESS製のレドックスフロー電池を対象に保険サービスを提供する。レドックスフロー電池は寿命が長い。

太陽光発電や風力発電などの再生エネは発電量が天候に大きく左右されることから、利用が増えれば増えるほど、蓄電池などを利用して電力需要の変化に対応することが重要となる。

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