チェコの景気は今年減速する見通しだ。国内の主要な経済研究所・専門家チームによると、インフレは加速し、深刻な人手不足は解消されない。
専門家の意見を総合すると、今年の国内総生産(GDP)成長率は2.9%と予測される。昨年の予測の3%をわずかに下回る水準だ。
賃金上昇率も同様で、比較的高い状況が続く。その要因の一つである低失業率は今後2~3年は継続する見通し。
インフレ率は2.4%と、昨年の2.3%(推定値)をやや上回る。
ただ、ウニクレディト銀行の主任エコノミスト、ソビシェク氏は、英国の欧州連合(EU)離脱や、米中の通商戦争、欧州自動車需要の縮小といった要因が、チェコ経済に影響を及ぼす可能性があると指摘する。
雇用者団体は、景気がやや減速するものの、成長率が「3%に届く」とやや楽観的だ。最も大きな成長の妨げは人手不足だが、チェコ統計局は今年の失業率を2.4%前後と予測しており、求人事情改善の見通しは立っていない。