スロバキア国立銀行(中央銀行)は先ごろ、2019年の国内総生産(GDP)成長見通しを前回発表の前年比4.5%から4.3%に下方修正した。中銀は同国に工場を置くジャガー・ランドローバー(JLR)の新工場の稼働や民間消費の増加を受けGDPは上昇するとしているが、今回の改訂では外需の縮小による下押し圧力を考慮した。
同中銀は中期予想や四半期報告の中で、主力の自動車産業が今後低迷するのに備え財政を強化し構造改革を推進するよう提言した。
来年以降のGDPの伸びについて中銀は、2020年は年率4%、21年は3.1%と徐々に低下するとの見通しを示している。雇用については人口動態の変化に伴い労働力が不足し、伸びは低下するとの予想だ。一方で労働需要の拡大により給与所得は増加する。21年の失業率は5.5%との見通し。19年のインフレ率は給与所得と消費の増加により2.6%を予想している。
2018年7-9月期(第3四半期)のGDP成長率は個人消費の伸びを背景に前年同期比で4.6%に達した。しかし雇用が増加したのはサービス部門のみで、全体では1.9%増にとどまった。平均賃金は6.1%増加した。インフレは沈静化したが製品やサービスの価格は前年同期から2.7%上昇した。