セルビアのバス製造イカルバス(Ikarbus)が今年民営化され、中国電動バス製造大手の銀隆新能源(Yinlong)の傘下に入る。イカルバスのヴィチェンティッチ社長が10日、現地通信社タニューグに明らかにしたもので、6月半ばに銀隆が株式シェア51%を取得し、約950万ユーロの債務も買い取る見通しだ。政府は26%を保有し、残りは少数株主に売却される。
ザグレブ郊外にあるイカルバスの工場では現在、メルセデスとの提携でバスを生産し、大半を南東欧諸国に輸出している。年間生産能力は250台で、1954年からの累積生産台数は約2万台。ヴィチェンティッチ社長によると、銀隆は電動バスを導入するなど製品ラインナップを拡大する考えで、当面は現市場への輸出に注力するが、将来的に欧州全体を狙う。
銀隆は電気自動車(EV)、リチウムイオンバッテリーの製造大手で、高速充電電動バスの生産台数は年間6万台に上る。昨年春、経済省にイカルバス買収の意向を伝え、売却先の有力候補に挙がっていた。