ルーマニア国営天然ガス会社ロムガス(Romgaz)がアゼルバイジャン国営石油ガス会社ソカールとの提携を通じて、海外進出を狙っている。ロムガスのヴォリンティル社長が21日、アゼルバイジャンの首都バクーでのソカール側との会談後に明らかにしたもので、ソカールは黒海ガス田の掘削・生産プロジェクトに共同で取り組むことに前向きな姿勢を示している。
両社はまた、アゼルバイジャン産天然ガスをトルコまで輸送する「トランスアナトリア・パイプライン(TANAP)」や、トルコ・ギリシャ国境からアドリア海を経由してイタリアに至る「トランスアドリア・パイプライン(TAP)」などの国際インフラプロジェクトへの共同参加に加え、カスピ海のガス田開発における提携の可能性についても話し合った。
ロムガスは国内ガス生産・供給最大手で、筆頭株主のルーマニア政府が株式70%を保有する。2013年には火力発電所を取得し、電力市場に参入した。ソカールとの提携により国際事業を効率よく拡大できるとみている。