トルコのベンチャー企業、ヘンプ複合材でX線手荷物検査装置

トルコのベンチャー企業テクノアルギェ(TechnoArge)が、産業用麻(ヘンプ=大麻草のうち陶酔成分THCの少ない品種)ベースの複合材を用いたX線手荷物検査装置を開発した。X線の漏洩(ろうえい)を防げるのが特徴で、検査と同時に荷物を消毒することもできるという。現地紙『ヒュリエット』が30日に伝えた。

ギェクチメン取締役によると、検査装置に使われているヘンプ繊維には放射線を吸収する働きがあり、低線量被ばくのリスクが大きく低減する。「検査済み」タグの貼付けも自動化し、数秒のうちに消毒が完了する。すでに世界114カ国で特許を取得、まもなくイスタンブール新空港へ納入する契約を結ぶ。

同社は、ヘンプ複合材を使った防弾チョッキや、動く歩道の手すりベルト消毒装置、手指消毒器も開発している。手すりベルト消毒装置はイスタンブール空港で試験中、手指消毒器は昨年11月にアタチュルク空港で導入された。

また、1年以内には自動車部品(バンパー、内装品)の生産を開始する予定だ。

トルコでは1990年代以来、マリワナ生産を防ぐためヘンプ栽培が禁止されていたが、最近、エルドアン大統領が19都市でヘンプ栽培を許可することを発表した。

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