エストニア議会選、野党が勝利

エストニアで3日行われた議会選挙(定数:101)は中道右派の野党・改革党が議席を増やし、第1党となった。中道左派の中央党を中心とする連立与党は合計議席が過半数に届かず、政権交代が確実視されている。一方で欧州連合(EU)懐疑派・反移民の右派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党が票を大きく伸ばし、第3党に躍進した。投票率は63.1%だった。

選挙管理委員会によると、カヤ・カッラス氏を筆頭候補とする改革党は28.8%を得票し、改選前の30議席から34議席に伸びた。ユリ・ラタス氏率いる中央党は得票率23.1%で、26議席と1議席減らした。ポピュリズム政党のエストニア保守人民党(Ekre)は17.8%を得票し、7議席から19議席へ躍進した。

これまで中央党と連立してきた社会民主党(SDE)は15議席から12議席、祖国・共和党連合(IRL)は14議席から10議席にそれぞれ後退した。

組閣には連立が不可避だが、どの政党も選挙前から保守人民党とは組まない姿勢を明確にしている。このため、アナリストらは改革党が祖国・共和党連合及び社会民主党と連立する選択肢を最も現実的とみている。しかし、カッラス氏は中央党との交渉にも挑む考えで、両党が大連立を組む可能性もある。

エストニアは貧富の差が大きく、保守人民党は、好景気の恩恵にあずかれない東部を支持基盤とする。2015年の「難民危機」以降は、国内に難民はほとんどいないにもかかわらず、欧州連合(EU)の難民受入れ分担に反対して勢力を伸ばし続けている。

エストニアは欧州で初めてインターネット投票を導入した国として知られる。今回の選挙では有権者の26%がネット投票し、これまでで最高を記録した。

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