EUが印・トルコを提訴、WTO協定違反で

欧州委員会は2日、インドとトルコが世界貿易機関(WTO)の協定に違反しているとして、WTOに提訴したと発表した。インドはIT製品の輸入制限、トルコについては海外の製薬会社に生産移転を不当な手法で強制していることを問題視している。

インド政府は2017年から18年にかけて、携帯電話や携帯電話サービス用の基地局、通信機器の部品など一部のIT製品の関税を引き上げた。関税率は7.5~20%。携帯電話は最高の20%となっている。

これについてEUは、対象品目はインドがWTOの情報技術協定(ITA)に基づき無税としていたことから、不当な引き上げと批判。WTOに提訴することを決めた。

トルコに関しては、海外の製薬会社の製品を健康保険の適用対象とする条件として、これらの企業にトルコへの生産移転を求めていることなどについて、WTO協定に違反する差別的措置として、同制度の見直しを求めて提訴した。

EUと両国は紛争処理の第1段階として当事者間協議を行うが、60日以内に解決できなければ、WTOの紛争処理小委員会(パネル)で本格的に争うことになる。

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