英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル傘下のシェル・インターナショナルエクスプロレーション&デペロップメント・イタリアが4月1日、ブルガリア領黒海北西部のシリストラ沖で掘削作業を開始した。近隣のヴァルナ港を拠点に、約250人を動員して3カ月間作業を行う計画だ。同石油・ガス開発プロジェクト責任者のケイズ氏によると、鉱区探索の過去の経験から、今回の鉱区で油田を見つける可能性は2割。商業運転開始までに6~10年かかると見られる。
ロイヤル・ダッチ・シェルは2016年2月、ブルガリア政府と黒海東北部シリストラ沖油田開発で契約を交わした。計画によると初期投資額は1,860万ユーロ。開発対象鉱区は現在ハン・クブラートに改名されている。シェルは同鉱区の開発権を昨年12月、豪ウッドサイド・エナジーのブルガリア子会社に30%、今年2月にスペインのレプソルに20%譲渡している。
シェルは17年末から18年初めにかけてハン・クブラート鉱区約6,900平方キロメートルの3次元調査を行い、今回の掘削地区を確定した。黒海西岸地域の開発調査責任者のデクナーテル氏によると、掘削作業のコストは通常5,000万~1億5,000万ドルで、作業経過により追加コストが発生する。コストは出資比率に応じて出資3社が分担する。