ルクセンブルクに本社を置くドイツ系風力発電設備大手センヴィオンは9日、独事業会社が民事再生手続きの適用を裁判所に申請したと発表した。経営再建に向けた銀行との融資交渉がまとまらないことから、同手続きにより現経営陣の主導権を維持できるようにしたうえで再建を進める。これと並行して銀行および社債保有者との間で再建支援の獲得に向けて協議を継続。支援合意が成立した場合は民事再生手続きを中止することもあり得るとしている。
風力発電設備業界では再生可能エネルギー電力の助成額削減と競争激化を受けて経営環境が悪化し、各社は業績を圧迫されている。センヴィオンではこれに加えて、風力発電パークのタービン設置遅延に伴う減収が追い打ちをかけている。
同社は経営悪化を受けて年初に再建策を打ち出した。利益を確実に確保できる市場に事業を絞り込むとともに、製品・サービスの種類を削減。材料費の圧縮に向けて調達も見直す意向だ。
ただ、事業資金には1億ユーロの穴が開く見通し。このため、銀行と融資協議を行っているが、条件が折り合わないことから民事再生手続きの適用申請へと踏み切った。
同社は2001年、リパワー・システムズとして設立された。08年にインド同業スズロンの傘下に入ったものの、スズロンは経営が悪化したことから15年に米投資会社センターブリッジへと転売した。