自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは13日、人の動きを把握・分析するソフトウエアの開発事業者である独シミ・リアリティ・モーション・システムズの資本90%を取得し子会社化すると発表した。自動運転車(AV)の搭乗者の安全性を確保できるようにする狙い。買収金額は明らかにしていない。
AVでは運転手が車両の操縦をシステムに全面・部分的に委ねられることから、走行中にくつろいで話をすることなどが可能になる。この結果、シートへの座り方などが従来型の車両と大きく変わると予想される。搭乗者の安全を確保するためには体格のほか、乗車時の姿勢の把握が必要不可欠であることから、AVでは搭乗者の姿勢、動きをリアルタイムで把握・分析することが極めて重要になる。
シミは1992年の設立で、ミュンヘン近郊のウンターシュライスハイムに本社を置く。従業員数は約35人。トップレベルのスポーツと医療分野を中心に、人の動きを3D画像で把握・分析するソフトを開発している。同社のノウハウはAV搭乗者の安全性確保に活用できることから、ZFは買収を決めた。