ポーランド政府は4月26日、伊軍需大手レオナルドに海軍向けヘリコプター「AW101」を4機発注した。対潜水艦戦や戦闘捜索救難向けに運用する予定で、契約金額は16億5,000万ズロチ(3億8,000万ユーロ)。レオナルドの現地子会社PZLシフィドニクが2022年末までに納入する。
レオナルドはポーランド事業の強化に向けて、近くワルシャワに新会社を設立する。グループの全製品を販売するとともに、顧客サービスも提供する。現地企業との提携も進めていく方針だ。
ポーランドは北大西洋条約機構(NATO)の東の要衝に位置し、2014年のロシアによるクリミア半島編入以降、以前にも増して軍事力の強化に力を入れている。NATO加盟19カ国で防衛支出目標(国内総生産(GDP)の2%)を達成している7カ国のうちの一つだ。
軍用ヘリコプターの更新では2015年4月にエアバス「H225M」の採用が決まっていたが、同年11月に政権についた「法と正義(PiS)」内閣が翌16年に取り消した。その後、政府はロッキードマーチン「シコルスキS-70i」4機を発注している。今回のAW101の調達について現地紙は、「価格がH225Mの1.5倍に上る」と報じているが、H225Mは50機を発注する前提で価格が設定されたこともあり、比較には慎重を要する。(1PLN=29.04JPY)