ポーランドでファクタリングサービスの需要が増加、小規模企業を中心に

ポーランドで、売掛金を代行回収するファクタリングサービスを利用する企業が増えている。同国では取引先への代金支払いの遅延や不履行が少なくなく、企業はファクタリング会社と契約することで債権の取り立てリスクをカバーしようとしている。

経済情報サービスを提供するBIGが今年初めに発表した調査によると、同国で債権を適宜回収できている企業は3社中1社にとどまる。未回収のまま債権を失った企業の割合は10社に1社で、そのうち3分の1の企業に最大20%までの損失が発生している。

昨年の10-12月期には、調査対象の企業のうち54%が、支払期日が60日以上の未回収の売掛金があると回答している。信用調査機関のBisnodeによると、産業部門により支払いモラルにはばらつきがあり、とりわけ零細企業にとって悩みの種となっている。

同国の企業・技術省は支払モラルの問題に対し新しい法律で対処しようとしている。6月から施行される新法では、大企業は取引先の小規模企業に対する支払いを60日以内に行うこととし、公的機関については病院を除き30日以内の支払いが義務付けられる。また新年からは未収金が所得控除の対象となる。

そうした中、企業の多くはすでにファクタリングサービスを利用して売掛金による損失の発生を回避しようとしている。同国のファクタリング会社の業界団体PFAによると、会員企業の引受高は継続的に増加しており、2018年の伸び率は26.7%に達した。30の会員企業の最大の顧客は製造業で、昨年の引受高に占める割合は44%に上った。

ファクタリングの様態では、取引先企業の支払い能力を保証する保証ファクタリングの伸びが特に顕著となっている。昨年は輸出取引に関する債権の回収リスクの引き受けを伴わないファクタリングが大きく増加した。対外貿易の増加を背景に特に外国企業と新規取引を行う際の需要が増えている。

全体として見るとファクタリングを国内の取引先との間で利用しているポーランド企業が多い。利用企業の数も1万6,900と前年度から倍増している。PFAはその背景に小規模企業の需要増があるとの見方を示している。

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