独光学機器大手のツァイスは11日、3次元(3D)自動計測制御のハード・ソフトウエアを提供する独GOMを買収すると発表した。これにより工業用計測・品質保証の分野を強化する。買収手続きは、当局の認可などを経て、2019年第1四半期に完了する予定。買収額は公表していない。ツァイスのミヒャエル・カシュケ社長は、今後さらに革新的な技術を持つ企業の買収を通して成長戦略を継続していく方針を示している。
GOMは1990年の設立で、ブラウンシュヴァイクに本社を置く。従業員数は世界全体で約600人。3次元(3D)光学計測技術による表面形状のデジタル化技術などを得意とし、自動車、航空・宇宙、消費財業界や、研究機関・大学などに顧客を持つ。2017/18年度の売上高は約1億5,000万ユーロだった。ツァイスはGOMを買収後、工業用測定機などを取り扱うインダストリアル・クオリティ・アンド・リサーチ部門に統合する。
独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、GOMは品質検査用のカメラなどを開発しており、表面形状の計測を得意とする。一方、ツァイスは極めて精密な計測技術分野を得意とする。ツァイスはGOMの買収により、例えばエネルギーや航空業界など大きな面積の品質検査を必要とする分野で新規顧客を開拓することができる。また、自動車分野における依存度を下げることができる。自動車業界では、電気自動車の普及が進むと、現在に比べ精密部品の計測需要が減る見通し。