英乗用車生産、3月は14.4%減・10カ月連続で減少

英自動車工業会(SMMT)は4月30日、同国の2019年3月の乗用車生産が12万6,195台となり、前年同月に比べ14.4%減少したと発表した。生産台数の減少は10カ月連続。1~3カ月の累計は、前年同期比15.9%減の37万289台となった。SMMTによると、大幅な減少は、欧州およびアジアの主要市場で引き続き需要が減退していることが主因。モデルチェンジなども影響した。

3月の乗用車生産の内訳は、国内向けが18.1%減の2万6,873台、全体の80%弱を占める輸出向けは13.4%減の9万9,322台だった。

SMMTによると、英国の欧州連合(EU)離脱の時期が延期された結果、2019年の自動車生産は136万台(2018年:152万台)に減少するものの、2021年までに142万台に回復する見通し。ただ、EUとの交渉が不調に終わり、世界貿易機関(WTO)のルールに基づく関税が長期に渡り適用された場合、英国の乗用車生産は2021年までに現行水準から30%減少し、1980年代半ばの水準と同等の107万台に落ち込むと予測されている。

■ 商用車生産は好調、3月は24.5%増加

3月の商用車生産は、前年同月比24.5%増の9,098台と好調だった。国内向けが58.6%増と大幅に伸びている。輸出向けは6.5%の増加だった。1~3月の累計では、国内向け(70.6%増)、輸出向け(26.9%増)のいずれも大幅な2ケタ増となっており、全体では41.2%増の2万7,513台に拡大した。

ただ、SMMTのマイク・ホーズ会長は、英国のEU離脱に伴う先行き不透明感や購入サイクルによる自然な需要変化により、今後の生産に混乱が発生する可能性があるとの懸念も示している。

■ エンジン生産、3月は6.3%減少

3月のエンジン生産は、前年同月比6.3%減の24万4,201基にとどまった。国内向けが14.1%減と大きく落ち込んでいる。輸出向けは1.5%減だった。1~3月の累計は、前年同期比7.6%減の72万1,516基。内訳は、国内向けが15.1%減、輸出向けが3.0%の減少だった。

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