フラウンホーファー研究所などプロジェクトパートナー4社・機関が協力し、最大1,000バールの高圧力で水素を貯蔵・輸送するための、安全で軽量な高圧タンクの開発に取り組んでいる。同じ大きさの容器で、350バールのタンクに比べ2倍以上の水素を輸送することができる。同プロジェクトは、再生可能エネルギー由来の水素の利用に関する大型イノベーションプロジェクト「HYPOS」の一環に位置づけられる。
参加するのは、繊維強化樹脂を使用した軽量部品などを製造するHexagon Purus、産業用コンピュータ断層撮影装置を製造するRayScanTechnologies、フラウンホーファー・材料・システム微細構造研究所(IMWS)、フラウンホーファー・材料メカニズム研究所(IWM)の4社・機関。高圧タンクに適した材料や構造コンセプトなどの研究・開発に取り組む。実施期間は2021年11月30日まで。
同プロジェクトで開発するタンクは、様々な材料を使用したマルチマテリアル構造で、外部には強度を確保するため繊維強化樹脂を、内部はガス漏れを防ぐことができる熱可塑性プラスチックを使用した2重構造、容器の端には金属部品を使用している。プロジェクトでは、新しい容器に適した試験インフラの開発にも取り組む計画で、物体を立体的に検査することができる3次元レントゲン試験装置を採用する方針。